| 研究概要 |
本年度は研究実施計画に基づき、以下の研究を行った.
1.レーザーmicrodissection顕微鏡およびIn situ hybridization法などの遺伝子解析に関する手技の確立.
パラフィン検体からのmicro dissection法は確立している(Gut, in press)が、本年試みた糸球体硬化部のみからのDNAの抽出は完全に確立できなかった.また、本年はアルミスライドを用いた凍結切片標本の接着・剥離をほぼ確立した.糸球体の確認においては一部染色を必要としたが、硬化糸球体と非硬化糸球体のmRNAの抽出は、個数の問題は残るが手技的にはほぼ問題がなくなった.硬化部のみからのmRNAの定量的な抽出には問題が少し残されている.
2.光顕・免疫電顕による検索
本年は初年度に臨床病理学的に検討した症例の一部について免疫染色を行い、特殊染色を含めた光顕標本との比較検討を行った.また、免疫電顕による検索も行い、光顕レベルと電顕レベルにおける蛋白の相違について検索した.光顕レベルと電顕レベルでの局在の検討では、大部分は一致しているが、一部局在の差異を認めた.残りの症例に関しては来年度早々に行う予定である.
3.レーザーmicrodissection顕微鏡を用いたZO-1,サイトカインなどのmRNAやDNAの解析に関しては、やや手技的な問題もあり、遅れているが、光顕・電顕による蛋白レベルの検討は検討しており、最終年度早々に解析を行い、硬化性病変発症機序の解析を試みて、最終報告書にまとめる予定である.
|
