研究概要 |
平成14年度はヒトREV蛋白の細胞内局在の解析を中心に研究を行った。REV蛋白はいずれも内因性の蛋白が微量のため、抗体を用いて内因性の蛋白を同定することが困難である。そのため,hREV1はGFP-hREV1またはFLAGタグをつけたhREV1を培養細胞に強制発現させ、またhREV7についてはhREV7の発現誘導細胞株を作成して、それぞれタグに対する抗体、またhREV1に対する抗体を用いて蛍光免疫染色を行った。細胞株は293細胞株を用いた。その結果、hREV7は細胞の核に局在し、約20%の細胞では数個から数十個の顆粒状のfociを形成していた。hREV7はほとんど全ての細胞で核にびまん性に局在し、顆粒状のfoci形成は示さなかった。紫外線照射や種々の薬剤によりDNA損傷を与えたときのhREV1、hREV7の局在の変化を検討したところhREV1はfoci形成の割合が増加したが、hREV7はfoci形成は示さず、変化は認められなかった。現在さらに詳細な検討を行っているところである。また、hREV7については種々のdeletion mutantを作成して、核への局在に重要なドメィンの場所を決定した。hREV3については、トランスフェクションによる一時的な強制発現では蛋白の発現が確認できなかったため、現在hREV3を高発現する細胞株の作成を試みているところである。今後は、hREV3の細胞内局在の検討と、hREV1、hREV3のdetetion mutantを用いたときのそれぞれの蛋白の局在の変化を検討する予定である。
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