研究概要 |
1)大腸癌では、浸潤先進部でのIQGAP1の高発現を認め、IQGAP1による細胞接着制御の可能性が示唆されたが、さらに肺癌組織でのIQGAP1発現の検索が進行中である。また、single cell locomotionが主体をなすと考えられるsarcoma, lymphomaの中で、より上皮性の性格を有するepithelioid sarcoma, anaplastic large cell lymphomaでのIQGAP1発現の検索も進行中である。 2)先頭の細胞特異的なMT1-MMP発現に対するアクチン線維形成(強固な細胞接着形成)の影響を検討するため、cohort migration (CM)を24時間誘導した後、アクチン重合の阻害因子であるサイトカラシンD処理を行い、さらに12時間培養した後に、in situ hybridizationにてMT1-MMP発現の変化を観察すると、強固な細胞接着の維持はMT1-MMPの先頭への発現に必須ではないことが示された。同様に各シグナル経路(PKC, PI3,G-protein, tyrosine kinase, PKA, P38,c-AMP)のinhibitorsによる処理を行い、MT1-MMP発現とCMを検討すると、calphostin C (PKC inhibitor)によってMT1-MMP発現の抑制が、またpertussis toxin (G-protein inhibitor)、Herbimycin A (tyrosine kinease inhibitor)によってCMの抑制が認められたが、MT1-MMP発現の局在の変化は認められなかった。
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