研究課題/領域番号 |
14570202
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
柴田 亮行 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (90226176)
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研究分担者 |
加藤 陽一郎 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (40233829)
小林 槇雄 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (80060086)
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キーワード | 筋萎縮性側索硬化症 / スーパーオキシドジスムターゼ / トランスジェニックマウス / 酸化的ストレス / カルボニルストレス / プロスタグランジン / 15d-PGJ_2 / PPARγ |
研究概要 |
Jackson LaboratoryのG93A変異ヒトsuperoxide dismutase-1(SOD1)遺伝子導入マウス(G93A)は三世代以上飼育すると変異遺伝子が発現しにくくなるという理由で、本年度もG93A(雄)とその対照マウスSJL(雌)を購入し、これらを交配させて少数の第二世代を得た。個体識別を兼ねて第二世代の耳介をパンチで打ち抜き、得られた皮膚組織から抽出した蛋白を12%SDS-PAGEで展開し、イムノブロット上のヒトおよびマウス由来のSOD1泳動度の違いにより、SOD1変異個体を選別した。離乳後直ちに粉末の餌を与え始め、生後6週以降にperoxisome proliferator-activated γ(PPARγ)の合成リガンドであるthiazolindinedione系薬物としてしられるpioglitazoneを混餌した。生後9週から15週にかけて漸次無痛的に屠殺して、OCT包埋脊髄凍結材料と新鮮脊髄単純凍結材料を作製し、それぞれPPARγの局在を免疫組織化学染色により、PPARγの核内移行を核内蛋白抽出物のイムノブロットを用いて観察した。その結果、免疫組織化学的に発症期以降のG93AでPPARγ陽性の反応性グリアが増加していたが、イムノブロットではG93AにおけるPPARγの核内移行がSJLよりも低下していることが判明した。現在、より多くの個体でこれらの結果の再現性を検証中である。以上とは別に、脊髄のパラホルムアルデヒド潅流固定パラフィン包埋切片に脂質過酸化カルボニルcrotonaldehydeの蛋白付加体を認識する特異抗体を反応させたところ、免疫活性はG93Aの前角に出現する空胞変性ニューロンと反応性グリアに集積していた。これについては現在、定量化を検討中である。
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