研究課題/領域番号 |
14570202
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
柴田 亮行 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (90226176)
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研究分担者 |
加藤 陽一郎 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (40233829)
小林 槇雄 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (80060086)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2005
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キーワード | 筋萎縮性側索硬化症 / スーパーオキシドジムスターゼ / トランスジェニックマウス / 酸化ストレス / カルボニルストレス / 炎症 / グリア / ニューロン |
研究概要 |
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は進行性の筋萎縮と筋力低下を特徴とする進行性神経変性疾患である。近年、ALSにおける酸化ストレスと炎症反応の関与が注目されている。一般に、酸化ストレスの亢進は脂質過酸化や蛋白糖酸化を介して反応性に富むアルデヒド(カルボニル)を生じ、炎症性細胞シグナルを活性化することが指摘されている。本研究の目的は、ALSの動物モデルであるG93A変異スーパーオキシドジスムターゼ-1遺伝子導入マウス(G93Aマウス)において、酸化ストレスと炎症を結びつけるカルボニルストレスが実際に発生しているかどうかを明らかにすることであった。免疫組織化学的に、蛋白糖酸化由来カルボニル蛋白付加体N^E-(carboxymethyl)lysineおよびpyrraline、脂質過酸化由来カルボニル蛋白付加体crotonaldehyde-lysine(CRA-Lys)および脂質過酸化カルボニルDNA付加体4-oxo-2-nonena1-2'-deoxyguanosineはG93Aマウス脊髄の運動ニューロンと反応性グリアに局在し、付加体含有グリア密度は加齢とともに増加した。CRA-Lysはまた空胞変性運動ニューロン、スフェロイドおよび索状腫大軸索にも集積していた。炎症性サイトカインである腫瘍壊死因子やFasリガンドが受容体に結合すると細胞質側で会合するFADDおよびこのシグナルをカスパーゼ-8介在性アポトーシスからNF-κB介在性炎症の活性化に転換する細胞内因子cFLIPは、G93Aマウス脊髄の反応性グリアに発現していた。G93Aマウス脊髄のRT-PCR解析とイムノブロット解析はそれぞれ、FADD mRNAとcFLIP蛋白の発現上方調節を示した。以上の結果は、G93Aマウスではカルボニルストレスがグリアの炎症反応を介して運動ニューロン死をもたらす可能性を示唆する。
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