研究課題/領域番号 |
14570207
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
寺田 信行 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (50150339)
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研究分担者 |
辻村 亨 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (20227408)
山田 直子 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (10319858)
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キーワード | エストロゲン / 子宮 / アポトーシス / c-fos / 前立腺 / 精嚢 / 凝固腺 / 副睾丸 |
研究概要 |
(1)我々は、エストロゲン除去後のマウス子宮上皮細胞のアポトーシスの機構として、間質の萎縮による上皮支持面積の減少が上皮のアポトーシスに重要な役割を果すとの仮説を考えた。この仮説を検証するために、底がシリコン膜でできた細胞培養面積を変化させることのできる培養器具を作製し、シリコン膜上での上皮の培養を可能にするコーティング物質を検索した。更に、この培養条件で培養面積を現象させるとアポトーシスが増加する事を明らかにした。現在、このアポトーシスでのミトコンドリア経路の関与を検索中である。 (2)c-fos蛋白欠損マウスでは、去勢により誘導される前立腺の上皮のアポトーシスが起こらない事が報告されている。我々は、c-fos蛋白の前立腺、精嚢、凝固腺、副睾丸及び子宮でのアポトーシスにおける役割を、c-fos蛋白欠損マウスを用いて検討した。特に、c-fos蛋白欠損の性ホルモン分泌に及ぼす影響を除外するために、去勢後性ホルモンを投与しその投与を中止する事によりアポトーシスを誘導した。2ヶ月齢のc-fos蛋白欠損マウスの前立腺、副睾丸、子宮のアポトーシスの程度は、同月齢の正常マウスのそれと同様であったが、c-fos蛋白欠損マウスの精嚢、凝固腺のアポトーシスの程度は、正常マウスのそれよりも減少していた。しかしながら、この減少は、c-fos蛋白欠損マウスの発育の遅れ(体重より推定して1ヶ月齢相当)による減少であり、事実c-fos蛋白欠損マウスの精嚢、凝固腺のアポトーシスの程度は、同程度の発育の正常マウスのそれと変らなかった。以上より、c-fos蛋白は、性ホルモン標的組織の上皮のアポトーシスには無関係である事が明らかになった。
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