研究課題/領域番号 |
14570218
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
内川 隆一 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (80145466)
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研究分担者 |
手越 達也 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (40254370)
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キーワード | 線虫抗原 / ガンマ・インターフェロン / リンパ球 / ラット / マウス / Nippostrongylus brasiliensis / Ascaris suum |
研究概要 |
本年度はNippostrongylus brasiliensis (Nb)由来分泌排出(ES)抗原中に認められるラットT細胞によるIFN-γ産生を抑制する活性分子を特定するため、研究解析を行なった。なお、IFN-γ産生抑制活性の比較は、コンカナバリンA存在下で非感染F344雄ラットの腸間膜リンパ節細胞を72時間培養後、上清中のIFN-γ産生量をELISAで測定することにより行った。 Nb由来ES抗原中に含まれる活性分子を特定する目的で抗原物質の生成を行い、以下の結果を得た。 1)限外濾過法によりES抗原を分画し活性を比較したところ、ES抗原の>50kD分画に最も強いIFN-γ産生抑制活性が認められ、>100kDの分画にも活性が見られた。しかし、>10kDの分画には全く活性が認められなかった。 2)Mono-Qカラムを用いて段階的イオン強度勾配による陰イオン交換クロマトグラフィーを行ったところ、0.15-0.2M NaClで溶出される分画に強いIFN-γ産生抑制活性が見出された。 3)この分画によるIFN-γ産生抑制活性はウサギ抗ES抗原ポリクローナルIgGでは阻止されなかった。 次いでNb由来ES抗原中に存在するIFN-γ産生抑制活性がラット以外のリンパ球に対しても認められるかを知るために、C57B/6雄マウスの腸間膜リンパ節細胞を用いて培養を行い、以下の結果を得た。 4)Nb由来ES抗原および上記のMono-Q分画はマウスリンパ球に対してもIFN-γ産生抑制活性を示すことが確認された。 また、他種線虫抗原でも同様の活性が見られるか知る目的で、ブタ回虫(As)体腔液およびをAs由来ES抗原を用いて同様の解析を行い、以下の結果を得た。 5)体腔液のMono-Q分画中には明らかなIFN-γ産生抑制活性は認められなかった。 6)しかし、ES抗原の陰イオン交換クロマトグラフィーによる分画では0.15-0.25M NaClで溶出される分画にIFN-γ産生抑制活性が認められた。
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