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2003 年度 実績報告書

線虫感染により誘導される腸管粘膜の損傷と修復におけるIL-18の役割

研究課題

研究課題/領域番号 14570226
研究機関兵庫医科大学

研究代表者

柏村 信一郎  兵庫医科大学, 医学部, 講師 (00185761)

研究分担者 岡村 春樹  兵庫医科大学, 医学部, 教授 (60111043)
上田 晴靖  兵庫医科大学, 医学部, 助手 (10330458)
キーワード腸管免疫 / 炎症 / IL-18 / IL-12 / プロスタグランデイン / 腺組織 / 組織傷害 / 組織修復
研究概要

炎症性サイトカインの一つであるインターロイキン18(IL-18)は炎症の開始から終息にいたる全てのステップで中心的な役割を持つ可能性が示唆されている。我々の研究から、IL-18がIL-12と共同してγ型インターフェロンの産生を介して一酸化窒素や活酸酸素、さらにTNFαなどの産生を誘導し組織傷害をもたらす一方、IL-12の非存在下ではT細胞やマスト細胞に作用してIL-4,IL-10,IL-13などの抗炎症作用を持つサイトカインの産生を誘導するユニークな働きを持つサイトカインである事を示してきた(Kashiwamura S.,et al.,J.Immunothera.2002)。この様な経緯からIL-18が炎症の制御という観点から生体にとって重要な因子であると考え、その作用を詳細に解析した。その結果、IL-18をIL-12とともにマウスに投与する事で肝臓に重篤な脂肪変性を誘導する事を示し(Kaneda M.,et al.,J.Interferon Cytokine Res.,2003)、そのメカニズムとして、この二つのサイトカインが過剰な一酸化窒素の産生誘導と組織での微小循環系の損傷をもたらし、多臓器の機能不全を誘導する可能性を示唆した。また血中のIL-18濃度が心筋梗塞における再発の可能性と関連する事が明らかとなり(Kawasaki D.,et al.,Am.J.Cardiol.)、血管などの内皮系の傷害との関連を持つ事も強く示唆された。更に、IL-18が粘膜系の炎症疾患である子宮内膜症患者の腹水中で高値を示す事が明らかとなった(Oku H,et al.,Hum.Reprod.2003)。この研究では炎症部位に浸潤したリンパ球がIL-18を産生し、非免疫系の間質細胞がIL-18受容体を発現する事が明らかとなった。この結果はIL-18が間質細胞に作用してCOX-2遺伝子の発現を誘導しプロスタグランデインE2を産生、TNFαなどの炎症性サイトカインを抑制する可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Okamoto T., et al.: "Inhibition by interleukin-18 of the growth on Dunn osteosarcom cells."J.Interferon Cytokine Res.. 24. 161-167 (2004)

  • [文献書誌] Oku H., et al.: "Role of IL-18 in pathogenesis of endometriosis."Hum.Reprod.. 19. 709-714 (2004)

  • [文献書誌] Nagamine Y., et al.: "Involvement of interleukin-18 in severe Plasmodium falciparm malaria."Trans.R.Soc.Trop.Med.Hyg.. 97. 236-241 (2003)

  • [文献書誌] Kawasaki D., et al.: "Usefulness of circulating interleukin-18 concentration in acute myocardial infarction as a risk factor for late restenosis after emergency coronary angioplasty."Am.J.Cardiol.. 10. 1258-1261 (2003)

  • [文献書誌] Kaneda M., et al.: "Inflammatory liver steatosis caused by IL-12 and IL-18."J.Interferon Cytokine Res.. 23. 155-162 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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