研究概要 |
1)腸球菌フェロモン反応性接合伝達プラスミド(EPRCP)のフェロモン受容、ペプチドフェロモン結合-DNA結合蛋白であるTraAのペプチドフェロモン結合、DNA結合それぞれの機能局在を明らかにした。pAD1 TraA, pPD1 TraAが厳密なフェロモンおよびDNA結合特異性を持つことを利用し、DPAC(DNA associated Protein-tag Affinity Chromatography),PPAC(Peptide associated Protein-tag Affinity chromatography)によって、chimeraおよびmosaic蛋白のDNA結合能、フェロモン結合能を独立してin vitroで観察し、機能局在を調べた。 2)pAD1 TraA蛋白の結合DNA領域をDPAC法によって再同定した。TraAはこれまで報告されていた結合領域には単独には結合できないこと、この領域を含まない近傍に別の2カ所の結合領域を持つことが明らかになった。 3)臨床分離VRE KV22株の解析、および、臨床分離VREの合成フェロモンに対する反応の疫学的解析から臨床分離VRE株が高い頻度でEPRCPを保持すること。それらの一部が染色体に組み込まれて存在し接合伝達によってプラスミドとして染色体外に分離される可能性があること示した。 4)接合伝達と複製の連関を調べるために遺伝的解析によって複製、および複製の安定性に関与すると考えられていたpAD1 RepAおよびRepB蛋白を精製し、TraAとのin vitroでの相互作用を観察した。蛋白同士の結合や、機能に対する影響は観察されなかったが、RepAおよびRepBのDNA結合能を観察することが出来、共同研究によってpAD1の複製について知見を得た。
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