1.S. sanguis感染ノトバイオートマウスにおける前部ブドウ膜炎の誘導と口腔病変:ベーチェット病患者由来のS. sanguisを無菌マウスの口腔内に定着した。口腔内に損傷がある場合口腔内病変は重傷化した。粘膜の炎症部においては好中球などの炎症性細胞の浸潤が認められ炎症性サイトカインが高値で検出された。粘膜病変の重傷化に伴い、前部ブドウ膜炎が誘導された。以上のことからS. sanguisはマウスにべーチェット病様の病変を形成することがわかった。 2.ヒト細胞とS. sanguis細菌の共通領域に対する患者血清抗体の反応性に関する検討:ベーチェット病患者由来のS. sanguisと高いホモロジーを示すヒト細胞の抗原ペプチドを合成した。熱ショックタンパクではヒトHSPのアミノ酸残基336から351番目の領域に対する抗体応答を認めた。さらに、眼の網膜抗原Brn3bの特定領域に対しベーチェット病患者の血清抗体はよく反応した。マウスモデルでも患者血清と同じ領域に対して反応が認められた。 3.遺伝子の合成:挿入を目的としている遺伝子Brn3bを発現しているとされるF9細胞を取り寄せ、RT-PCR法でBrn3b遺伝子を採取する試みを行っているところである。また、Brn3bと類似した細菌遺伝子Bes1についてS. sanguisからPCR法で合成し、プロモーター遺伝子を付加して生体内で発現可能な遺伝子とするための合成をしている過程である。 4.マウス胚操作技術:マイクロマニピュレーターを用いた遺伝子の導入技術ならびにマウス胚の採取およびレシピエントマウスヘの移植技術について習熟し、遺伝子操作動物の作成に対して確実な技術の習得ができつつある。
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