研究概要 |
ロタウイルスは乳幼児の下痢症の病因であるとの認識が強いが,我々の調査では成人の急性下痢症の約15%がロタウイルスによるものであった。しかし,成人集団でcirculateしているロタウイルスがどのようなウイルスであるか,また,乳幼児の間でcirculateしているロタウイルスとどのような関連があるのかはなお不明な点が多い。 本研究では,同一地域で,小児および成人の下痢症例からロタウイルスを収集し,ポリアクリルアミドゲル電気泳動法を行い,circulateしているロタウイルス株を解析することを目的とした。 2000年から2004年の4年間にわたり,1,081例の成人および小児の急性下痢症患者から収集した検体をポリアクリルアミドゲル電気泳動にかけ,ロタウイルス陽性の検体についてウイルス株の同定を行い,それぞれのウイルス株の検出状況を時系列にそって成人と小児に分けてプロットした。この結果,成人におけるロタウイルス下痢症の流行と小児での流行は一致していたが,ウイルスの流行は必ずしも11月から3月ではなかった。ウイルス株でみると小児の方に株数が多く,小児に見られる一部のウイルス株が成人由来株に見られた。また,成人ではshort patternが多かった。 ロタウイルスの流行は小児が主体であって,成人は小児での流行の影響を受けていると考えられた。また,小児にshort patternが流行したときに成人での流行規模が大きくなると考えられた。
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