研究課題/領域番号 |
14570263
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
近藤 一博 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (70234929)
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研究分担者 |
山西 弘一 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (10029811)
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キーワード | ヒトヘルペスウイルス6 / HHV-6 / 潜伏感染 / 潜伏感染遺伝子 / 再活性化 / 前初期遺伝子 / Heterogeneous Ribonucleoprotein K / Casein Kinase 2 |
研究概要 |
ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)の潜伏感染関連遺伝子を研究することにより、中枢神経系における潜伏感染機序を解析することを目的とする。本年度は、昨年度の潜伏感染遺伝子の同定に引き続き、この遺伝子を利用することによって、研究を進めた。 この結果、HHV-6には、潜伏感染と再活性化の中間に比較的安定な中間状態が存在し、この状態における潜伏感染遺伝子の発現亢進が、再活性化の引き金になることが判明した。またこのことは、in vitroの潜伏感染実験系でも、骨髄移植患者の検体に行けるin vivoでも成り立つことが判明した。また、この再活性化の初期に働く潜伏感染遺伝子には、前初期遺伝子IE2のopenreading frameが含まれる。そこで、IE2の機能と宿主細胞との関係を検討するために、IE2に結合する宿主蛋白をYeast Two-hybrid法などを用いて検討した。その結果、IE2がHeterogeneous Ribonucleoprotein KおよびCasein Kinase 2に結合して機能することが判明した。また、HHV-6の組み換えウイルスの作成法を世界に先駆けて開発し、green fluorescent proteinを指標にして、ウイルス遺伝子の発現をin situで検討することを可能とした。この結果、HHV-6感染アストロサイト内では、HHV-6の前初期遺伝子ばかりでなく、サイトメガロウイルスの前初期遺伝子プロモーターの発現も抑制されていることが判明した。このことにより、HHV-6のアストロサイト内での潜伏感染が示唆され、潜伏感染時の遺伝子発現や再活性化をin situで検討できる系が作成できた。
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