研究課題/領域番号 |
14570288
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研究機関 | 明治鍼灸大学 |
研究代表者 |
雨貝 孝 明治鍼灸大学, 鍼灸学部, 教授 (80094407)
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研究分担者 |
塚本 紀之 明治鍼灸大学, 鍼灸学部, 講師 (80319524)
糸井 マナミ 明治鍼灸大学, 鍼灸学部, 講師 (00257833)
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キーワード | マウス / 胸腺 / T系前駆細胞 / ケモカイン・レセプター / ケモカイン / 細胞移入 / 血管形成 / 器官形成 |
研究概要 |
1.胸腺における血管形成は、T系前駆細包の胸腺への移入・末梢への成熟T細胞の移行・胸腺の微小環境の形成に必須であり、胸腺機能の発現と維持に重要な役割を持つと考えられる。我々は正常マウス胎仔胸腺原基における血管形成過程とヌード・マウス胎仔胸腺原基における血管形成の有無を検討した。正常マウスでは血管芽細胞、血管内皮細胞は胎生11-12日にかけて胸腺原基の間葉系細胞層に集積し、胎生12-13日に胸腺上皮細胞間に移動し、胎生13日に血管腔構造を形成した。ペリサイト前駆細胞も胎生13日に胸腺上皮細胞間の血管内皮細胞ないしは血管腔構造の近傍に移動していた。これらの結果から、マウス胸腺原基における血管形成は、胎生12-13日の胸腺上皮細胞の構造変化に同調して起こることが示唆された。ヌードマウス胸腺原基では、血管芽細胞・血管内皮細胞の胸腺原基間葉系細胞層への著明な集積はなく、血管形成は認められなかった。また、正常マウス胸腺原基では上皮細胞によるVEGF産生が見られたが、ヌードマウス胸腺原基では認められなかった。 2.我々は形成初期胸腺原基が持つ最初の機能として、『T系前駆細胞を引き寄せるケモカインを産生すること』を示唆する結果を得ている。そこで、胸腺原基へのT系前駆細胞の遊走に関わるケモカイン・レセプターの検討を行っている。胎仔肝細胞とBW5147細胞のHybridomaを作成し、そこから胎仔胸腺原基への遊走能を持つ細胞を選別した。この細胞は、in vivo胎仔肝内投与、およびin vitroでのchemotaxis chamberにおいても胸腺原基への遊走能を示した。FPT-18-3m細胞から膜分画を調整しFisherラットを免疫し、hybridomaを作成し胸腺原基への遊走を阻害する単クローン抗体の作成を試みているがまだ成功していない。
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