研究課題/領域番号 |
14570302
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
小林 宣道 札幌医科大学, 医学部, 教授 (80186759)
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研究分担者 |
三瀬 敬治 札幌医科大学, 医学部, 助手 (30200025)
石埜 正穂 札幌医科大学, 医学部, 講師 (30232325)
小島 和暢 札幌医科大学, 医学部, 講師 (20264517)
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キーワード | 腸球菌 / 薬剤耐性 / ペニシリン耐性 / テトラサイクリン耐性 / アミノグリコシド耐性 / 消毒剤耐性 |
研究概要 |
研究対象として解析が進められているのは、1997〜1998年の2年間および2001年1-7月に札幌医科大学附属病院で分離された菌株約250株のほか、2002年10月から現在までの分離株約300株である。ペニシリン耐性のE.faecalisは10株であり、いずれもペニシリナーゼ陰性であった。E.faeciumは殆どがペニシリン耐性であるが、感受性のものが少数株検出された。これらについて、来年度前半期の調査対象株における耐性菌と合わせてPBP5の遺伝子配列を解析し、耐性に関連する遺伝子変異を調べる予定である。アミノグリコシド耐性遺伝子の分布については、高度ゲンタマイシン耐性に関与するaac(6')-aph(2")はE.faecalisで40.5%、E.faeciumで3.5%に検出された。黄色ブドウ球菌に分布し腸球菌では報告のない、ant(9)-IaがE.faecalis、E.faecium、E.aviumに各1株づつより検出され、それらの遺伝子配列は黄色ブドウ球菌のそれに完全に一致していた。テトラサイクリン耐性遺伝子は、tetMがE.faecalisで75.2%、E.faeciumで71.7%と高い検出率を示した。Streptococcus pyogenesでのみ報告のあるtetTがE.faecalis5株に検出され、その遺伝子配列はS.pyogenesのそれにきわめて似ていたが、4塩基(4アミノ酸)の違いがあった。tetS、tetOは腸球菌に存在することは知られていたが、その遺伝子配列と多様性は明らかではない。E.faecalisで検出されたtetS遺伝子は、Listeria monocytogenesにおけるそれと全く同じ配列を、tetO遺伝子は既報のtetOを加えても遺伝子配列の多様性が多く見られた。今後これら耐性遺伝子の位置するトランスポゾンを特定するなどして腸球菌への耐性遺伝子分布拡大の機序について調べる予定である。
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