研究課題/領域番号 |
14570303
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
衛生学
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
岡部 とし子 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (20152564)
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研究分担者 |
鹿島 勇治 横浜市立大学, 医学部, 助手 (50233705)
堺 温哉 横浜市立大学, 医学部, 助手 (20303555)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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キーワード | 甲状腺ホルモン / 甲状腺ホルモン受容体 / 有機態ハロゲン化合物 / 内分泌攪乱化学物質 / レポーターアッセイ / エストロゲン受容体 / 甲状腺ホルモンレスポンスエレメント |
研究概要 |
ダイオキシンやポリ塩化ビフェニル(PCB)等有機塩素化合物を高濃度に蓄積した野生生物では生殖系や免疫系への影響の他に甲状腺系への影響が報告されている。また、甲状腺ホルモンと構造上類似している有機態ハロゲン化合物が近年難燃剤等として多く使用されるようになり、環境試料からも検出され、環境汚染物質として野生生物や人体への影響が危惧されている。本研究では、まず始めに甲状腺ホルモン受容体の転写活性化を指標とした簡便なバイオアッセイ系を構築した。即ちヒト培養細胞(HeLa細胞)へ甲状腺ホルモン受容体α遺伝子を導入した甲状腺ホルモン受容体高発現細胞株(HeLaTR細胞)を作成し、甲状腺ホルモンレスポンスエレメント(DR4)を上流に有するルシフェラーゼ遺伝子(DR4-SV-Luc)をtransientに発現させ、甲状腺ホルモンT3存在下でT3無添加の場合と比較してルシフェラーゼ活性が4-5倍上昇することを明らかにした。このバイオアッセイ系に種々の環境汚染物質等有機態ハロゲン化合物を添加し甲状腺ホルモン系への影響を検討した結果、PCBの代謝物である水酸化PCBはT3による転写活性化を抑制し、ダイオキシンや難燃剤として使用されているヘキサシクロブロモドデカン、農薬として使用されていたニトロフェンはT3の作用を増強させることを明らかにした。携帯電話等の液晶画面で使用されているディイオドビフェニル(DIB)は単独でも甲状腺ホルモン受容体転写活性化能を有し、T3存在下ではさらに活性化した。またDIBはエストロゲンによるエストロゲン受容体転写活性化作用も増強することを明らかにした。さらに、HeLaTR細胞へT3を添加した後の遺伝子発現の変化をDNAマイクロアレー法によりゲノムワイドで検討し、T3の添加により4-1BBを介したアポトーシスシグナルが活性化されることも明らかにした。
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