マイトマイシンC(以下、MMC)を高・低2濃度で、4μg/mlのフィトヘマグルチニン(以下、PHA)で刺激したリンパ球に曝露した。曝露24時間後にtotal RNAを回収、DNAチップで遺伝子の発現をみた。DNAチップ解析ソフトGeneSpringによる解析では、caspase-9を抑制するprothymosin alphaが有意な変化を示した。細胞周期、DNA修復関連遺伝子に変化がなかったのでPHAを2.5μg/mlとし、再度、遺伝子発現実験を行ったが有意な変化を示したのはcoproporphyrinogen oxidase、28S rRNAであった。MMCは2本鎖DNA間の架橋剤であるが、発現プロファイルの結果はMMCによる歪の小ささに起因する可能性も考えられた。 メチルニトロソウレア(以下、MNU)を高・低2濃度で、2.5μg/mlのPHAで刺激したリンパ球に曝露した。曝露24時間後にtotal RNAを回収、DNAチップで遺伝子の発現をみた。MNUによる傷害は、グアニン残基のメチル化や酸化ストレスであることが知られている。GeneSpringによる解析では、酸化ストレスに対する反応と考えられる遺伝子や細胞周期停止・DNA修復関連遺伝子に有意な変化が見られたであった。 また、以前にハイブリダイゼーションを行い画像データの残っているブレオマイシン、UVA、UVCについて、統計学的有意性の出せるGeneSpringを用いて再解析を行った。それぞれの傷害性と矛盾しないプローブ(遺伝子)が有意な変化を示した。
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