研究課題/領域番号 |
14570310
|
研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
大河原 知水 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (50330452)
|
研究分担者 |
江口 裕伸 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (60351798)
鈴木 敬一郎 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (70221322)
|
キーワード | 活性酸素 / スーパーオキシドジスムターゼ / 細胞外型SOD / 3T3-L1 / 核移行シグナル / DNA傷害 / 突然変異 |
研究概要 |
1.恒常的EC-SOD発現細胞株の樹立 (1)既にクローニング済みのマウスEC-SOD遺伝子を用いて、野生型マウスEC-SOD遺伝子(WT)および、N末端を切りつめた核移行型ミュータント(SK)をの発現ベクター、および各々のヘパリン結合ドメインに変異を導入したもの(WT241、SK241)、およびEC-SOD活性中心に変異を導入した不活性型EC-SODの動物細胞発現ベクター(ネオマイシン耐性因子を含む)の構築を行った。 (2)CHO-K1細胞を用いて遺伝子導入を行い、一過性に発現したリコンビナントタンパクの細胞内局在を抗EC-SOD抗体を用いた免疫細胞染色で検討したところ、SKミュータントで著名な核への蓄積を認めたが、SK241では細胞質に局在した。WT、およびWT241ではリコンビナントタンパクの大部分は細胞質と培地中存在する。 (3)遺伝子導入したCHO-K1細胞をネオマイシン(G-418)で選択し、恒常的EC-SOD(野生型および変異導入型)発現細胞株をの樹立を試みた。WT、およびWT241については、良好な発現を示す細胞株を得ることが出来たが、SKについては恒常的発現細胞株をクローニングするに至っていない。EC-SODが核に大量に蓄積することが細胞にとって負荷になる可能性がある。 2.EC-SODの細胞への結合、および核移行に関する実験 (1)いくつかのマウス由来細胞株を用いて、EC-SOD発現を検索したところ、脂肪前駆細胞3T3-L1、および、繊維芽細胞NIH-3T3に比較的高いEC-SOD発現を見いだした。 (2)EC-SOD発現細胞から得られるリコンビナントEC-SODリッチメディウムの添加により、3T3-L1細胞がEC-SODに対して高い親和性をもつことが明らかになった。 (3)3T3-L1細胞はリコンビナントEC-SODと結合するが、細胞画分によるウエスタンブロットによりその一部は3T3-L1細胞の核に見いだされ、取り込まれたEC-SODが核に移行することが示唆された。
|