助産師・保健師・児童精神科医・臨床心理士などが、母親への具体的な育児支援を行うための基礎研究として、一般病院を受診している妊婦を対象に妊娠後期から産後4ヵ月までの継時的精神保健調査を行うとともに、4ヵ月家庭訪問時に撮影したビデオを解析して母子の情緒的応答性を評価した。 調査に同意の得られた63例のなかで、産後1ヵ月から産後4ヶ月までうつ状態(SDS得点で40点以上)が持続している12例をうつ持続群、それ以外を非うつ持続群として背景要因、不安・抑うつの変化、母子相互作用を比較検討した。 その結果、産科的な背景要因では差が認められなかったが、うつ持続群では、マタニティブルーの経験が有意に高く、PBIではケア得点が低く過干渉得点が高く、不安・抑うつ得点は期間中高得点を持続していること、さらに4ヵ月時のビデオ評価では、母親の情緒的応答性が低く評価され、母親と子のやりとりがスムーズでないことなどが認められた。
|