研究概要 |
閉経前女性の骨密度変化に関連する要因を検討するため、地域情報紙等の案内に応じた138名の健常閉経前女性(平均年齢34歳)を対象として、平均405±82日の追跡調査を行った。追跡前後において、体格、腰椎骨密度(Dual Energy X-ray absorptiometry ; DXA法,L2-L4)、月経状態、運動・食事・生活状況、その他を調査・測定し、年間骨密度変化を目的変数として関連要因を検討した。 重回帰分析の結果(括弧内の数値は係数を表す)、BMIの変化(0.620)、月経異常(追跡時)あり(-0.656)、定期的運動の中止(-2.690)がそれぞれ独立して、有意に腰椎骨密度(%)変化に関連していた(R^2=0.249,P<0.01)。特に、2%以上の骨密度低下を呈した33名中16名に月経異常を認めており、骨密度が維持向上群における頻度(105名中23名)より有意に高かった。月経異常の約2/3が月経周期の異常で、年齢との関連は認めなかった。また、追跡期間中に定期的運動を止めた7名中3名に、2%以上の骨密度低下を認めた。 閉経前女性の骨密度減少を予防するには、過度の体重減少を避け、若年期から月経異常に適切に対応すること、運動を継続することが大切であると思われた。 本研究の主要論文は現在投稿中である。また、若年女性における月経異常が骨密度と関連するという知見が得られたため、潜在的卵巣機能不全等の研究を今後展開していきたいと考える。
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