1.都道府県別・市区町村別死亡率の格差とその背景に関する研究 人口動態統計の死亡小票および国勢調査人口を用いて算出した1973年から1998年の都道府県別・市区町村別年齢調整死亡率(全死亡および主要死因別)を用いて分析を行い、以下の結果を得た。 (1)系列変化からの回帰式を用いた外挿法および都道府県死亡率を用いたベンチマーク法により2010年の死因別死亡率の目標値を設定する手法を開発した。 (2)市区町村別の死亡率の格差より全国の過剰死亡を算出し、予防可能な死亡数を性年齢別に推計し、その時系列変化(1973-1998年)を観察した。 (3)市区町村別死亡率と地域の社会経済的指標(収入、学歴、住環境、失業)との関連を分析し、低い社会経済的状況と高い死亡率の関係を明らかにし、社会経済的要因が健康に与えるインパクトを定量化した。 2.障害者の割合の都道府県格差とその背景に関する研究 健康寿命を算出する基本データとして障害者の割合について、介護保険認定者率を算出し、地域の年齢構成と介護保険認定レベルの影響を検証し、以下の結果を得た。 (1)地域の年齢構成を調整してものなお都道府県別の要支援・要介護認定者率に大きな地域各差が存在することを示した。また、介護レベルにより要支援・要介護認定者率の地域格差の傾向が異なることを明らかにした。 (2)介護認定者率と死因別死亡率および社会経済的要因の関係を分析し、脳血管痴患死亡率、高齢者世帯率、高齢者独居率等が介護保険認定者率と関連していることを明らかにした。
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