平成12年度に中学1年生を対象に実施した調査をBaselineとして、本年度は中学3年生を対象に、腰椎及び大腿骨頸部の骨密度測定、体格・筋力の測定、既往歴・ライフスタイルについての面接調査、カルシウム摂取調査、24時間食事内容調査、骨代謝指標の測定を実施した。 最終的に、中学3年生359名(男子:129名、女子:230名)について測定及び調査を行った。 追跡受診者は346名(男子:127名、女子:219名)であり、追跡率は84%であった。 これまでの解析によって得られた主な結果は以下のとおりである。 1.男女とも中学1年生から3年生にかけて、腰椎、大腿骨近位部及び大腿骨頸部ともに有意に骨密度は増加しており、その1年間当たりの骨密度増加率は男子において腰椎、大腿骨近位部及び大腿骨頸部の各部位で10.4%、8.6%、8.7%、女子においてはそれぞれの部位で6.0%、5.3%、5.5%であった。 2.中学時代における運動及びスポーツの実施は、この時期の子ども達の骨密度を高める方向に作用する重要な要因と考えられた。しかし、女子の約1/3の生徒は中学1年生から3年生にかけて体育の授業を除き運動やスポーツを実施していない状況にあった。 3.男女とも骨代謝指標(I型コラーゲンN末端終末ペプチド、デオキシピリジノリン)と骨密度の間に有意な負の関係が見られた。また、女子では骨代謝指標と骨密度変化率の間に有意な正の関係が認められた。 今後は、さらに詳細に分析を進め、中学校期において骨量をできるだけ高めるための実行可能で有効な方策について検討する。
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