研究概要 |
高齢化社会を迎え、要介護者の増加が問題となっている。高齢者世帯などで介護を行う上での負担が大きく,今後在宅介護を行うことが非常に困難状況の中で,近年進歩の著しいIT技術の介護への応用を検討した。そのモデルケースとして鳥取県日南町で取り組まれている日南町TOWNS-NETを取上げた。今回モデルケースとして装置が設置されている3家庭を訪問し、利用状況について調査し、さらに60歳以上の高齢者にIT利用状況について郵送法による調査を行った。また、試験運用されている遠隔見守り・介護支援システムの改良についても検討した。 結果試験導入している3家庭のうち、実際に使用されている家庭は1家庭のみで、インターネット端末としての使用に限られている。その他の2家庭では全く使用されずに置かれているという状況であった。アンケート調査でも高齢者のIT利用率は低かったが、60-75歳では携帯電話利用率は20%であるのでインターフェイスの改良、操作の簡略化などで実用性の可能性も考えられる。リモコン式,および音声認識システム等の導入が今後の課題である。遠隔見守り・介護支援システムは、被介護者の様子を介護者が外出していても、携帯電話で確認できるシステムであり、これにより、介護者も外出しやすくなり、介護の負担も軽減するものである。被介護者のベッド脇に設置したカメラとパソコンを接続することで、一定時間ごとに被介護者の様子を静止画で、介護者の携帯電話にEメールとして送信するシステムである。しかし、送信されてくる情報が静止画のみであり、生体情報がないため被介護者の状態が十分に分からないという問題点があった。すでに一般の電気店で販売されている時計型血圧計を常時装着することで、これまでの映像に加えて生体情報(血圧、脈拍)を介護者の携帯電話やパソコンなどにE-MAILを利用して送信することが出来るのではないかと考えた。
|