研究課題/領域番号 |
14570344
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研究機関 | 埼玉県立大学 |
研究代表者 |
坂田 悍教 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (80178558)
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研究分担者 |
岡本 順子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (10315707)
細川 武 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (40095386)
土居 通哉 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (10315723)
五味 敏昭 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (00104159)
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キーワード | 歩行 / 地域在住高齢者 / 縦断的研究 / 体力 / 開眼片脚起立時間 / 歩行速度 |
研究概要 |
(1)地域在住高齢者の移動能力の経年的変化の分析 身体因子・活動性・拡大ADL・体力・重心動揺など既に測定してある地域在住高齢者1,044名を対象に歩行形態と歩行時間について3年間の経過後、再度聞き取り調査を行い、歩行の変化への体力の影響因子について縦断的な調査を行った。平成14年度508名を追跡したが、平成15年度は男性55名、女性115名を追跡し、計678名を対象として歩行の変化に対する影響因子について縦断的に分析した。歩行形態に影響を及ぼす体力因子として男女とも上体起こし、左右片脚起立時問、10m障害歩行時問、6分間歩行距離(持久力)で、女性では大腿四頭筋筋力(下肢筋力)が挙げられた。歩行時間への影響因子は、体力面では多様性を示した。今年度までの縦断的研究結果は、横断的研究結果とほぼ一致するもので、高齢者における片脚起立時間、体力、歩行速度などの著明な低下は、2〜3年後の歩行形態の変化の予測となり得る。高齢者が移動・歩行を自立させるには、下肢筋力・バランス能力訓練の重要性が指摘された。 (2)老人健康施設入所者の移動能力に関する分析 平成14年度では施設利用者210名(男性70名、女性140名)について体力、重心動揺、歩行能力、ADL,痴呆について測定、歩行能力との関連について解析した。単独歩行可能・杖歩行・車椅子各群間において片脚起立時間で有意に差がみられ、施設利用者の体力は、地域在住高齢者の40〜60%で開眼片脚起立時間、膝伸展力の低下が著しい。今年度は、以上の基礎調査より2年以上経過した男性35名(76.1±9.0歳)、女性58名(78.9±9.5歳)、計93名を対象に歩行・移動の変化に身体的因子がどのように関与しているか縦断的に分析した。2年経過後の歩行形態の変化について、変化群と変化なし群の両群間で体力を比較検討すると両群間では差はみられなかった。開眼片脚起立時間の測定は、地域在住高齢者では転倒予防、歩行・移動の変化指標、ADL確立の基準値として意義あるものであったが、体力の低下した施設入所高齢者では歩行の変化指標とはならなかった。しかしながら、簡便な体力評価法として有用であった。
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