研究課題/領域番号 |
14570359
|
研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
下光 輝一 東京医科大学, 医学部, 教授 (90206243)
|
研究分担者 |
小田切 優子 東京医科大学, 医学部, 講師 (90276907)
石丸 新 東京医科大学, 医学部, 教授 (50112785)
小柳 泰久 東京医科大学, 医学部, 教授 (20074560)
大谷 由美子 東京医科大学, 医学部, 講師 (00074724)
|
キーワード | 医療事故 / ストレス / リスクマネジメント |
研究概要 |
近年、大病院におけるさまざまな医療事故報告が相次ぎ、医療現場における事故防止対策が喫緊の課題となっている。医療におけるリスクマネジメントでは、現場における医療事故防止のためのシステムづくりが大切であるが、同時に、厳しい労働条件で医療に従事する医師や看護師などの心身の健康管理がなされなければ、人為的ミスによる事故を回避することはできない。医療事故の防止と医療の質の向上のためには、医師・看護師の勤務状況、仕事の量的、質的な負担等の仕事に関連したストレス要因および燃え尽き、抑うつなどのストレス状態を評価し、適切なストレス対策を行う必要がある。 本年度は、医師・看護師に対して実質労働時間、当直・夜勤頻度、インシデント・アクシデント経験等、睡眠、喫煙などの生活習慣、仕事のストレス(職業性ストレス簡易調査票、JCQ)、努力-報酬不均衡職業性ストレスモデル、燃えつき、蓄積的疲労徴候等の質問紙調査を実施しストレス状態を評価した。 医師352名(回収率56.6%)、看護師830名(95.3%)の回答を得た。看護師では6ヶ月以内のアクシデント経験の有無によりストレッサー、ストレス反応、修飾要因各項目得点に有意差が認められたが、医師にはおいては認められなかった。しかしながら医師において、6ヶ月以内のヒヤリ・ハット経験の有無は労働時間に有意差が認められ、そのリスクは努力-報酬不均衡者で2.5倍のオッズ比を示し、アクシデント経験の有無には先月の当直回数および当直明けで睡眠がとれないままの翌日勤務の回数に有意差が認められた。 今後、医療事故に密接に関連するストレス要因とストレス状態をより詳細に検討し、その結果から医療従事者のストレス軽減対策プログラム案を作成する予定である。
|