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2002 年度 実績報告書

若年胃がんのリスクとヘリコバクター・ピロリ感染、細胞増殖因子、サイトカインの関連

研究課題

研究課題/領域番号 14570363
研究機関愛知医科大学

研究代表者

菊地 正悟  愛知医科大学, 医学部, 教授 (40224901)

研究分担者 柳生 聖子  愛知医科大学, 医学部, 助手 (50268017)
林 櫻松  愛知医科大学, 医学部, 講師 (50340302)
小幡 由紀  愛知医科大学, 医学部, 助手 (70340304)
キーワード若年胃癌 / Helicobacter pylori / 早期癌 / 進行癌 / Diffuse型 / 症例対照研究 / インターロイキン-8
研究概要

'98-'01年に収集された40歳未満で診断された若年胃癌症例と、性年齢(±3歳以内)を対応させた健診受診者に同意を得て血液を提供してもらい、55組の症例と対照のペアを作成した。55列の若年胃癌症例のうち53例については、手術標本(一部は内視鏡的切除の標本)の病理学的データの収集が終了した。血液からは血漿を分離し、2-4年の凍結保存後、H. pylori抗体を日本人由来の抗原によるキットJ-HM-CAP(協和メデイックス社)、インターロイキン(IL)-8をOptEIA Human IL-8 kitII(PHARMINGEN社)を用いて測定した。こうしたデータから以下の結果が得られた。
同じ施設で'88-'91年(前期)に収集された104例の若年胃癌症例と血清の分析結果と今回の55例(後期)の比較で、前期では92例(88%)が、後期では45例(82%)がH. pylori抗体陽性で、H. pylori陽性の胃癌では早期癌の比率は前期39%、後期56%であり、Diffuse型の比率は前期85%、後期82%であった。公開されている「地域がん登録」研究班データでは、'86年と'96年の20-39歳の胃癌罹患率は10万人あたりそれぞれ、男性で12.1と5.7、女性で13.0と6.4で、10年間で半減しており、別の追跡研究でH. pylori陽性率も同年代で比較すると低下している。有意まではないが、10年間でH. pylori陽性癌比率は減少しており、観察されている若年胃癌罹患率低下がH. pylori陽性率の低下によることと矛盾しない。早期癌比率が後期で高くなっているが、得られた症例の一部は早期発見がなければ40歳以上で診断されていたこと、すなわち若年での胃癌発生が登録データ以上に減少していることを示唆すると考えられる。
55組のペアでの検討では、H. pyloriのオッズ比(95%信頼区間)は3.8(1.8-8.4)、IL-8は対照の平均値である14.8pg/mlをカット・オフ値とすると、オッズ比は2.5(1.1-5.7)であり、いずれも若年胃癌のリスクを上昇させていた。しかし、前期の研究の結果で得られたオッズ比13倍に比べ、オッズ比は小さくなった。

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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