研究課題/領域番号 |
14570371
|
研究機関 | 藤田保健衛生大学短期大学部 |
研究代表者 |
井平 勝 藤田保健衛生大学短期大学, 医療情報技術科, 講師 (10290165)
|
研究分担者 |
須賀 定雄 藤田保健衛生大学, 医学部, 助教授 (70257616)
谷口 孝喜 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (40094213)
浅野 喜造 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (40131180)
|
キーワード | HHV-6 / HHV-7 / VZV / air sample |
研究概要 |
1)小児期にコモンな感染症の空気感染の実態について把握するための基礎実験として、VZVの空気中撒布のモデルを作製した。診察室に見立てたモデルルームにおいて感染源としてVZVワクチンの空気中噴霧を行い、噴霧源(超音波噴霧装置)から距離をおいて数ヶ所にヒト繊維芽細胞(HEL細胞)を静置(30分または1時間)し、空気中に漂う感染性ウイルス粒子の分離を試みた。モデルルームの環境において、噴霧器直下においたHEL細胞で細胞変性効果をみとめVZVの分離が確認された。環境中のそのほかの場所では分離は確認できなかった。静置したHEL細胞や環境中のぬぐい液から抽出したDNAからは、real time PCRによってかなりのVZVウイルスコピー数が検出されたことから環境における急速なウイルスによる汚染自体は広汎におよんでいることが確認された。人体におけるVZVの感染経路は、咽頭などの粘膜とされるが、単位時間に咽頭を通過する空気の量などを考慮し感染モデル実験系に改良を加える予定である。 2)エアサンプルからウイルスDNAを検出する基礎的検討として、real time PCRによる検出法が、充分な感度を持っているかを検証した。入院期間中に発症した水痘患児の病室の空気を1時間吸引し、そのフィルターを生理食塩水に浮遊後、その上清からDNAの抽出を行った。発症当日のエアサンプルからはVZV DNAが検出されたもののその後は検出されなかった。エアサンプルの吸引時間の増加、サンプルの濃縮などの操作を加えて検出感度を上昇させる必要があると考えられる。 3)実際の小児科外来診察室において季節ごとの診察室の空気を吸引し、そのフィルターを生理食塩水中に浮遊して保存した。今後、このフィルター浮遊液からDNA、RNAを抽出し、水痘、インフルエンザなどコモンなウイルスについてreal time PCRにて評価を行い年間を通した各ウイルスの経時的な検出状況の検討を行う。
|