研究課題/領域番号 |
14570389
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
恒成 茂行 熊本大学, 医学部, 教授 (80040202)
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研究分担者 |
米満 孝聖 熊本大学, 医学部, 講師 (10128332)
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キーワード | 子ども虐待 / 虐待アセスメント票 / ワークショップ / 虐待損傷 / 臨床法医学 / 地域ネットワーク / 虐待防止 / 虐待早期発見 |
研究概要 |
1.子どもの虐待早期発見のためのリスクアセスメント票の開発 熊本県内の保健師、民生児童委員、保育士、養護教諭などを対象にしたワークショップを開催して得られたデータを基にリスクアセスメント票を作成した。また、県内の子どもの虐待を把握する熊本中央児童相談所との情報伝達システムについても考案した。 2.熊本市虐待防止ネットワーク連絡会の活性化のためのワークショップの開催 参加者を所属機関に関係なく「司法」、「教育」、「医療」、「福祉」の4つのグループに分け、それぞれのグループ毎に、ネットワークの活性化について意見をまとめたところ、以下の通りの結果が得られた。 (1)司法:警察や弁護士に対して、人権教育をわかりやすく指導していく、24時間対応できる。 (2)教育:教育機関などに対して、学校からの啓発活動ができる。 (3)医療:医師や校区保健師、カウンセラーなどに対して、メンタルケアの体制が必要である。 (4)福祉:行政機関などに対して、福祉ボランティア制度の設立、情報の一元化が必要である。 また、4グループ全てに共通したものとして、関係機関同士がお互いの役割を認識し、連携をさらに強めるべきであるという結論を得た。特に、医療機関に対しては、地域ネットワーク内での連携意識の積極性に欠けるところがあるのではないかという意見もあり、医療分野とのさらなる連携・意識強化が求められていることが明確化した。 3.被虐待児にみられる損傷の臨床法医学的検査 児童相談所が一時保護している子どもの身体検査を行い、被虐待児にみられる損傷について臨床法医学的に検討した。来年度はさらに、症例を増やすとともに、県下の医療機関を対象として、被虐待児の損傷及び虐待に対する臨床医の意識に関するアンケート調査を行う予定である。
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