研究課題/領域番号 |
14570392
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
法医学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
玉木 敬二 京都大学, 医学研究科, 教授 (90217175)
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研究分担者 |
飯野 守男 京都大学, 医学研究科, 助手 (80362466)
山本 敏充 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (50260592)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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キーワード | ミニサテライト / B6.7 / MVR-PCR / 突然変異 / 分子遺伝学 / CEB1(D2S90) |
研究概要 |
昨年度までに、我々はミニサテライトB6.7について多数の日本人アリルをMVRマッピングして、多型性の調査やアリル間の類似性の検索を行ってきた。その結果、調査した日本人は全てヘテロ接合体であり、アリルの長さによるヘテロ接合度は100%であった。ただし、アリル長は、Caucasianのものに比べ有意に短い傾向にあり、最長のものでも240リピート程度にとどまり、70%以上のアリルが80リピート以下であるので、MVR-PCR法によりその全体の内部構造が明らかにされるため、日本人アリルはB6.7の研究において有用なものと考えられた。このうち、92アリルについてMVR-PCR法により、アリルをマッピングして内部構造を明らかにした。この結果、2種類のアリルのみが2回出現したが、他は全て異なっており、Ewensの式によりこの内部構造によるヘテロ接合度は99.95%と算出され、日本人においても、膨大な多型性を示すことが初めて示された。但し、そのアリル構造はCaucasianのものに比べて極めて異なっており、ドットマトリクス解析では、双方に共通のモチーフを有するアリルは認められなかった。 今年度はB6.7と同様に極めて高変異なヒトミニサテライトであり、B6.7同様組み換えのホットスポットの存在が示唆されているCEB1(D2S90)について、初めて日本人における性状解析を行った。その結果、ミニサテライトは長さによるヘテロ接合度が85%に達し、アリル長は平均69リピートの一峰性分布を示した。また、CEB1にはアリル近傍に多数のSNPsが欧米人のアリルにおいて報告されているが、我々は、日本人において新しいSNPをアリル近傍下流に発見した。さらに、アリル3'末端側のリピート構造を分析したところ、各アリル内および各アリル間でリピート構造は全て異なっており、従来の報告以外の位置でも塩基置換、挿入/欠失がみられた。今後は、各アリルのリピート内マッピングやアリル近傍のSNPs判定をおこない、アリル辺縁のリピートタイプとSNPs結果を組み合わせたハプロタイプ分析の有用性を検討していきたいと考えている。
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