研究課題/領域番号 |
14570399
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
KWESI Teye 久留米大学, 医学部, 助手 (80352128)
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研究分担者 |
岡村 寅彦 久留米大学, 医学部, 助手 (60343688)
副島 美貴子 久留米大学, 医学部, 助手 (80279140)
神田 芳郎 久留米大学, 医学部, 教授 (90231307)
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キーワード | FUT2 / 分泌型 / スリランカ / null allele / タミル / シンハラ |
研究概要 |
これまでの研究により分泌型遺伝子FUT2のnull alleleである非分泌型アレル(se)は人種特異的であることが分かってきた。そこでさらにこの遺伝子の多型分布を調べるため今回我々は今年度の研究費補助を受けスリランカへ赴き国民の18%を占めるタミル人と74%を占めるシンハラ人2集団それぞれ58名と54名から採血をおこないFUT2の多型解析をおこなった。その結果タミル人では非分泌アレルの頻度が約50%を占めるのに対しシンハラ人では63%と高頻度であった。タミル人で最も頻度が高い非分泌アレルはサモア人に見出されたse^<del2>であり、タイ、バングラディッシュに見出されたse^<302>と、ヨーロッパ人の主要なnull alleleであるse^<428>が多く存在した。また低頻度ながらバングラディッシュに分布するse^<685>が存在した。一方シンハラ人集団においてはse^<302>が最も高頻度に認められ、se^<428>が次に多く、se^<del2>が3番目に優位なnull alleleであった。一方タミル人集団に認められたse^<685>は存在しなかった。またどちらの集団にもアジア人の主要な非分泌型アレルであるse^<385>は認められなかった。これらのことから宗教や歴史的な背景から集団間で自由な婚姻が無かったと考えられる2集団は分泌型遺伝子のアレル組成も同一ではなく、遺伝的なバックグラウンドが異なるということ、またアジアからの影響も少ないのではないかということが示唆された。
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