研究概要 |
4C8 costimulationにより分化誘導されるT細胞(4C8 Tr細胞)は、CD28 costimulationの場合と比較し、次のような特徴が明らかになった。 1)ナイーヴ、メモリーT細胞に対してCD28と同等の強いcostimulation効果が認められた。 2)IL-10を大量に産生した。 3)CD25高発現を維持し、かつCD152は細胞表面よりも細胞内に強く認められた。 4)CD3刺激に対して低反応であったが、IL-2,抗CD28抗体の添加に強く反応した。 5)Bystander CD4+ T細胞の活性化、IL-2産生を抑制した。 6)その抑制機能は、IL-10,TGF-βに対する抗体で中和できず、細胞接触が必要であった。 7)IL-7,IL-15にもTreg細胞に対して増殖促進作用があることが明らかになった。 8)4C8 Treg細胞は臓器移植に伴う移植拒否反応を抑制しうる細胞で有る可能性が明らかになった。 以上から、4C8 Treg細胞は明らかなサプレッサー機能を有するだけでなく、上に挙げた特徴はこれまでに報告されているCD4+CD25+T細胞やimmature DCで誘導されるregulatory T細胞と基本的に矛盾しない。Costimulation機能のある多くのnon-CD28分子が知られているが、これらの中には、4C8やCD2のように、regulatory T細胞を誘導するcostimulation pathwayが存在することを示唆している。
|