研究概要 |
1.ブレオマイシン投与間質性肺炎マウスモデルを用いプロスタノイド受容体を標的とする新規治療法を検討した。核内受容体Peroxisome Proliferator Activated γ(PPAR γ)は病状の進展に伴い発現は増加する。PPAR γの受容体アゴニスト15-deoxy Δ^<12,14> prostaglandinJ2(15-dPGJ2)を連日皮下投与すると間質性肺炎の病変の進展は抑制された。また15d-PGJ2はPGD2の非酵素性代謝物である。遺伝子治療を目標としてPGD2合成酵素(PGDS)を組み込んだウイルスベクターを感染させ持続PGD2を産生させ15-dPGJ2が持続し作用する細胞を静注し肺に投与すると間質性肺炎の病変の進展は抑制された。肺内のヒドロキシプロリン含量、サイトカインの発現を低下させた。 2.ブレオマイシンを連日投与し皮膚硬化、間質性肺炎を惹起する強皮症モデルに同様な治療を行うことにより皮膚硬化及び間質性肺炎を抑制することが可能であった。ブレオマイシン投与前に皮下にPGDS発現ベクター感染線維芽細胞を移植しブレオマイシンを投与した。浸潤肥満細胞の機能抑制によるヒスタミン、MMCP-4の抑制を生じ皮膚、肺のヒドロキシプロリン含量を抑制またTGF βの発現を抑制した。 以上より新たな間質性肺炎、皮膚硬化抑制に通じる手法に通じると考えられた。
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