研究概要 |
肝細胞癌再発予防のための新たな治療法として、樹状細胞を用いた癌ワクチン療法の確立のため、樹状細胞による効果的な感作法抗腫瘍効果の有無を検討した。下記により、マウス肝細胞癌モデルを用いて、樹状細胞の分離・培養及び感作法の違いによる樹状細胞の抗原提示能・抗腫瘍活性誘導能を比較検討した。 方法: 1)樹状細胞は、BALB/cマウス骨髄細胞をGM-CSF, IL-4存在下に培養して採取した。 2)腫瘍細胞は、マウス由来の肝癌細胞(BNL1MEA.7R.1)を用いた。 3)樹状細胞と腫瘍細胞をPEG処理にて融合させた。 4)FACSにて融合樹状細胞の表面マーカーの解析を行った。 5)51 Cr release法にて、脾リンパ球のCTL活性を測定した。 6)同系マウスに腫瘍細胞を皮下移植後、融合樹状細胞を投与し抗腫瘍効果を検討した。 7)樹状細胞によるワクチン施行群と未施行群における、抗腫瘍活性及び腫瘍拒絶効果を検討した。 結果: 樹状細胞を用いた癌ワクチン療法により強力な抗腫瘍活性が誘導され、マウス肝細胞癌モデルにおいて、肝細胞癌の退縮及びワクチン療法施行群における腫瘍拒絶が認められ、臨床応用の可能性が示唆された。
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