研究分担者 |
村田 一素 三重大学, 医学部, 助手 (40345971)
MURATA Kazumoto Mie University, Faculty of Medicine, Research Associate (40345971)
MURATA Kazumoto Mie University, Faculty of Medicine, Research Associate (40345971)
MURATA Kazumoto Mie University, Faculty of Medicine, Research Associate (40345971)
MURATA Kazumoto Mie University, Faculty of Medicine, Research Associate (40345971)
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研究概要 |
TRAILは正常細胞をアポトーシスに誘導することなく、腫瘍選択的にアポトーシスを誘導できるとされている。これまでの研究で我々はヒト大腸癌細胞(HT-29,LS180,SK-CO-1)で4種類のTRAILレセプター全ての発現(TRAIL-R1からTRAIL-R4まで)を確認した。しかし、大腸癌細胞は相対的にTRAIL耐性であることも確認した。また、TRAIL投与によるNF-κB活性化は大腸癌細胞全体で一定の傾向はなく、細胞により異なることも確認した。 今回我々は大腸癌でのTRAIL発現による宿主活性化リンパ球のアポトーシス誘導と免疫回避機構との関連を検討した。ヒト大腸癌細胞(HT-29,LS180,SK-CO-1)におけるTRAILの発現を、Western blottingとRT-PCR法にて確認した。また、flow cytometryを用いて癌細胞表面のTRAIL発現と、サイトカイン(IFNγ,TNFα)、抗癌剤(camptothecin, doxorubicin hydrochloride)刺激による大腸癌細胞表面のTRAIL発現増強を確認した。 doxorubicin hydrochloride刺激にてTRAILの発現を増強させた大腸癌細胞HT-29と同時培養したJurkat cellはapoptosisに陥り(生存率48%)、発現したTRAILは機能的であることが確認された。Jurkat cellの生存率はFasL抗体投与により増加したが(57%)、TRAIL-R1-R4-Fc投与による増加の方がより大きく(86%)、Jurkat cellのapoptosisにはTRAILの関与がより強い事が示唆された。 大腸癌細胞の表面に発現したTRAILは、ヒト活性化リンパ球をアポトーシスに導くことにより、癌の宿主免疫回避機構に関与する可能性が示唆された。
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