研究課題/領域番号 |
14570476
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
飯田 三雄 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (00127961)
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研究分担者 |
矢田 親一朗 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (00346800)
江崎 幹宏 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (50335957)
松本 主之 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (10278955)
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キーワード | 家族性大腸腺腫症 / APC遺伝子 / 疾患修飾遺伝子 |
研究概要 |
家族性大腸腺腫症(FAP)の動物モデルであるMin mouseはAPC遺伝子変異マウスで、このマウスにおける大腸病変の程度、すなわち重症度と第4染色体の遺伝子Mom1の変異に密接な関係があることが報告されている。Mom1は、ヒトでは、1p35-36に位置しsecretory phospholipase A2遺伝子(PLA2G2A)に相同する遺伝子と考えられている。最近、FAP患者では1p35-36に位置する遺伝子の多型により十二指腸病変の程度が異なることが報告されている.そこで、PLA2G2AがFAPの疾患修飾遺伝子であるか否かを明らかにするため、FAP患者の生殖細胞DNAにおけるPLA2G2Aの多型の解析を開始した.現在までに臨床的にFAPと診断された患者58例(40家系)の生殖細胞DNAを採取し、全例でAPC遺伝子の変異の有無を確認済みである.これらのDNAを用いて、PLA2G2Aの多型を解析した.解析にあたっては、PLA2G2Aのエクソン1〜5についてプライマーを設定し、PCR-SSCP法を用いている.現在までに得られた結果として、エクソン1,2,4には明らかな変異は認められなかったが、7例でエクソン3に、5例でエクソン5に多型が認められている.現在、これらの多型に対してダイレクトシークエンスを用いて塩基配列を確認中である.臨床像を遡及的に検討すると、多型陽性患者では大腸腺腫数が多く、大腸外徴候が顕著な傾向が認められている.以上より、FAPにおいてPLA2G2Aが疾患修飾遺伝子の一つである可能性が示唆されるので、今後さらに解析を加える予定である.
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