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2002 年度 実績報告書

星細胞と線維化肝で発現する新遺伝子stapの分子機能と臨床病態的意義の解析

研究課題

研究課題/領域番号 14570497
研究機関大阪市立大学

研究代表者

河田 則文  大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (30271191)

研究分担者 池田 一雄  大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (80275247)
関 守一  大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (50145778)
キーワード肝星細胞 / 肝線維化 / STAP / グロビン / ヘム蛋白
研究概要

ラットの星細胞に対してプロテオーム解析を行った結果21kDaの蛋白質が活性化星細胞で強誘導されることを見出し、STAP (stellate cell activation-associated protein)を同定した。また、ヒト星細胞株からヒトSTAPもクローニングした。STAPはラットの活性化星細胞ならびに肝硬変で誘導される蛋白であり、ヒト肝臓の星細胞にも発現している。今回は、STAPの蛋白発現動態と機能解析を行った。1)STAP陽性細胞はラット肝星細胞のみでなく、内臓各臓器の間質に存在し、これらはビタミンA貯蔵細胞と一致することが判明した。従って、STAPは内臓系線維芽細胞(臓器特異的星細胞)のマーカーとなり得る。STAP発現は線維化肝のみでなく、慢性膵炎や腎炎でも増加することが明らかとなった。2)初代培養星細胞におけるSTAP発現は血清、PDGF-BBやTGF-β刺激で軽度に増加することが判明した。3)STAPはアミノ酸配列上グロビンやミオグロビンと約40%の相同性示す。リコンビナントラットならびにヒトSTAPを作製して分光学的に解析した結果、STAPはヘム蛋白であることが判明した。STAPに存在するヘムの第5、6配位子はともにHisであり第6配位子が空位であるヘモグロビンやミオグロビンとは異なる性質を有するヘム蛋白である。解析の結果、His81とHis113がヘムの配位子であることが判明した。しかしながら、STAPは酸素や一酸化炭素とミオグロビンと同等に結合することができることも明らかとなった。4)GFP-STAP発現ベクターをHuh-7細胞にtransient transfectionして解析したところ、STAPはHuh-7細胞の増殖を抑制し、細胞死を誘導することが判明した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Akita K, Okuno M, Enya M, et al.: "Impaired liver regeneration in mice by lipopolysaccharide via TNF-α/kallikrein-mediated activation of latent TGFβ"Gastroenterology. 123. 352-364 (2002)

  • [文献書誌] Uyama N, Kawada N, Okuyama H, et al.: "Regulation of hepatocyte proliferation by stellate cell"J. Hepatol.. 36. 590-599 (2002)

  • [文献書誌] Nakatani K, Seki S, Kawada N, et al.: "Expression of SPARC by activated hepatic stellate cells and its correlation with the stages of fibrogenesis in human chronic hepatitis"Virchows Archiv. 441. 466-474 (2002)

  • [文献書誌] Takashima T, Kawada N, Maeda N, et al.: "Pepstatin A attenuates the inhibitory effect of N-acetyl-cysteine on proliferation of hepatic myofibroblasts (stellate cells)"Eur. J. Pharmacol.. 451. 265-270 (2002)

  • [文献書誌] Asahina K, Kawada N, Kristensen DB, et al.: "Characterization of Human stellate cell activation-associated protein (STAP) and its expression in human liver"Biochim Biophys Acta. 1577. 471-475 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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