研究概要 |
C型肝炎ウイルス(HCV)は、診断法に関しては明らかとなってきたが、進行に係わる生体側因子の検討は不充分であり、治療としておこなわれているIFN治療に関しても、その効果に関する生体側因子の解析は不充分である。昨年度までに、我々は、TNF-betaのfirst intron Ncol polymorphism siteのGenotypeが、B1/B1の保有者で、HLA-DRB1のハプロタイプが、*0901の保有者にC型肝炎の無症候キャリアーが多いことを見いだした。今年度は、IFN+リパピリンの併用療法を施行した患者のうち、効果とTNF alpha gene, TNF beta gene, IL-10 gene, MxA geneとの多型性を検討したが、無効例で、TNF beta geneがB2/B2のGeno typeを持つ患者が多いことを明かにした。また、C型劇症肝炎より樹立した、JFH-1 cloneをレプリコンsystemを用いて解析し、通常の1b型のcloneと比較したところ、ウイルスの複製能力が高く、今後ウイルスの複製過程、病態に及ぼす影響に関してさらに検討してゆく予定である。
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