研究概要 |
C型肝炎ウイルス(HCV)は、診断法に関しては明らかとなってきたが、進行に係わる生体側因子の検討は不充分であり、治療としておこなわれているIFN治療に関しても、その効果に関する生体側因子の解析は不充分である。C型肝炎の進行にかかわる要素として、TNF-alpha, lymphotoxin-alpha, IL-10,MxA遺伝子の多様性とHLA-haplotypeをC型肝炎178例において検討した。その結果、lymphotoxin-alphaのfirst intron Nco1 polymorphism siteのGenotypeが、B1/B1で、HLA-DRB1のハプロタイプが、*0901の保有者にALT値がほぼ正常値で推移するC無症候キャリアーが多いことを見いだした。また、肝生検の線維化が軽度の群では、lymphotoxin-alphaのGenotypeがB1/B1でかつ、IL-10の遺伝子多型が、IL-10の産生量が中等度から高度のgenotypeが多いことを明らかにした。また、IFN+リバビリンの併用療法を施行した患者のうち無効例で、lymphotoxin-alphaのGenotypeがB2/B2およびMxA遺伝子の-88の多型がG/Gの保有者が有意に多いことを見出した。以上、C型肝炎の進行、治療にいくつかの遺伝子多型が関与してきることを明らかにした。
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