研究概要 |
Hepsinは細胞膜表面に存在しているセリンプロテアーゼの一つで、肝臓で一番発現している。しかし肝臓での機能についてはFactorVIIを活性化するという報告があるもののほとんど判明していない。種々の場合の肝臓でのhepsinの発現を詳細に観察した。 1 5w,10w mouseにCC14腹腔内投与を行い急性肝障害をおこし、肝臓におけるhepsinの発現を時間をおってノーザンブロットにて観察した。Hepsinの発現ははじめの12時間までは明らかに減少した。AST, ALTとの関連も確認した。 2 5w,10w mouseに70%肝切除後の肝再生時におけるhepsinの発現を時間をおってノーザンブロット、ウェスタンブロットにて観察した。Hepsinの発現は12時間までは低下し続けた。 3 LEC ratの急性肝炎におけるhepsinの発現を観察した。T-bilirubin, AST, ALTとの関連も確認した。肝機能障害時にはhepsinの発現は低下した、前癌状態であるhyperplastic noduleと癌部hepatocellular carcinomaでのhepsinの発現を比較したところ、hyperplastic noduleのほうが発現がむしろ高かった。
|