Hepsinは、細胞成長増殖において不可欠なセリンプロテアーゼである。特に前立腺においてはPSAとの比較や、hepsinが何を活性化するかなど多くの結果が得られている。しかし肝臓で一番多く発現しているにもかかわらず、hepsinの肝臓での機能についてはほとんど判明していない。今回は炎症、再生、癌においての肝臓における実際のhepsinの発現動向を詳細に観察した。CCl4腹腔内投与での急性肝障害マウスにおいて、5週、10週マウスともに、はじめの12時間は明らかに発現が低下した。70%肝部分切除後の肝再生において、5週、10週マウスともに最初の12時間は発現は低下し続けた。LECラットの急性肝炎時も発現が低下していた。また、ラット肝において前癌状態の方が癌部よりもむしろ発現が上昇しており、これは前立腺における結果と全く同様であった。
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