1.MAA-PEI+plasmid hHGF-cDNAの合成とマウスブレオマイシン肺に対する影響の検討プラスミドpCAGGSにhuman HGF cDNAを組み込み、さらにMAA-PEIの結合体に結合させたMAA-PEI/pCAGGS-hHGFをC57/BL6マウスの尾静脈から注入し、その肺内での発現を、hHGF発現プラスミド(pCAGGS-hHGF)による効果と比較した。その結果、プラスミド単独投与に比べて、MAA-PEIに結合させたプラスミドのほうが肺内での発現効率が高まり、1μgで10μgに相当するhHGFを発現させた。また発現する期間もプラスミド単独投与によるhHGF発現が3日後がピークで、5日目には消退するのに対し、MAA-PEIに結合させたプラスミドでは4日後にピークとなり、その後発現は減退するものの、10日間以上の弱い発現が継続した。MAA-PEI/pCAGGS-hHGFをC57/BL6マウスの尾静脈から注入した3日後の肺内の血管内皮細胞、肺胞上皮細胞、肺胞マクロファージなどの免疫細胞へのhHGF遺伝子導入をin situ RT-PCRによって顕微鏡下に確認した。C57/BL6の気道内にブレオマイシンを注入して生じるブレオマイシン肺傷害後の肺線維化に対して、pCAGGS-hHGF(10μg)単独でもMAA-PEI/pCAGGS-hHGF(1μg)でも抑制効果が認められることを示した。 2.GFP産生マウスの幹細胞による新生血管の確認ブレオマイシンによる肺線維症モデルマウスに対してGFP発現マウスの骨髄細胞を静注することによって、肺胞毛細血管内皮細胞の血管新生を確認した。今後は血管内皮細胞以外にも肺胞上皮細胞、間葉系細胞、炎症細胞の再生に際してどのような組織内分布を行うのかを顕微鏡下に観察をさらに継続していく予定である。
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