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2003 年度 実績報告書

ナチュラルキラーT細胞活性化による肺線維症の制御

研究課題

研究課題/領域番号 14570537
研究機関筑波大学

研究代表者

石井 幸雄  筑波大学, 臨床医学系, 講師 (80272194)

キーワードNatural killer T細胞 / α-galactosylceramide / 肺線維症 / インターフェロンγ / マウス
研究概要

本年度研究ではNatural Killer T細胞(NKT細胞)のリガンドであるα-galactosylceramide (α-GalCer)によるマウスブレオマイシン肺線維症抑制効果について検討した。実験には野生型C57BL/6マウスおよび同系のNKT細胞欠損(Jα281-/-)マウスを用いた。0.5mgのブレオマイシンを気管内投与し肺線維症モデルを作成した。10μgのα-GalCerをブレオマイシン注入1日前に腹腔内投与した。生理食塩水、溶媒を投与したものをそれぞれの対照群とした。野生型ではブレオマイシン注入28日目までに50%のマウスが死亡したが、α-GalCerの投与により有意な生存率の延長が見られた。28日目の肺組織では線維化の程度はα-GalCer投与群で明らかに抑制されており、肺内ヒドロキシプロリン含量もα-GalCer投与群で有意に低下していた。これらの変化はJα281-/-マウスでは認められなかった。ブレオマイシン注入8日目の野生型マウスにおいてα-GalCer投与群では非投与群に比べ肺内interferon-γ(IFN-γ)は有意に高く、transforming growth factor-β (TGFβ), connective tissue growth factor (CTGF)の発現は有意に低下していた。これらの変化はJα281-/-マウスでは認められなかった。同時期のリンパ球の解析では肺内のNKT細胞の比率、同細胞のIFN-γ発現率はα-GalCer投与群、非投与群の間に差がなかったが、T細胞のIFN-γ発現率はα-GalCer投与群で有意に高値であった。抗IFN-γ抗体の投与によりα-GalCerの抗線維化作用は消失し、生存率も有意に低下した。同抗体はα-GalCerによるTGFβ, CTGFの発現低下を抑制した。以上よりα-GalCer投与はNKT細胞の活性化を介して肺内サイトカインを制御することにより、ブレオマイシン肺線維症を抑制するものと考えられた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Kimura T, Ishii Y, et al.: "Treatment with α-galactosylceramide attenuates the development of bleomycin-induced pulmonary fibrosis"Journal of Immunology. (In press).

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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