研究課題/領域番号 |
14570540
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
瀧口 裕一 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (30272321)
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研究分担者 |
黒須 克志 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助手 (20291106)
巽 浩一郎 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (10207061)
栗山 喬之 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (20009723)
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キーワード | DNA修復遺伝子 / Ku70 / アンチセンス / 放射線感受性 / 抗癌剤感受性 / 遺伝子治療 / 肺癌 |
研究概要 |
1)プラスミドの作成 ヒトKu70のcDNAをヒトcDNAライブラリーから単離し、アンチセンスおよびセンスDNAはPCRにより作成、プラスミドに組み込んだ。βグロビンpromoterをアンチセンスDNAの上流に組み込み治療ベクターとした。 2)ベクターの肺癌細胞への導入 ヒト肺癌細胞株は、RERF-LC-AI株(扁平上皮癌)を用いた。この細胞株をin vitroで培養し、上記の治療ベクターをリン酸カルシウム共沈殿法を用いて、細胞内導入した。 3)細胞株におけるアンチセンスDNAの発現の検討、およびin vitro放射線感受性テスト 遺伝子導入された細胞よりRNA、タンパク質を抽出し、それぞれNorthern blotting、Western blottingによりKu70遺伝子の発現の抑制パターンを検討した。次にin vitroにおいて0〜12Gyの照射を行い、colonogenic assayによる放射線感受性を検討した。親株やセンスDNAを導入した細胞を陰性対照として比較検討した。その結果、アンチセンスDNAを導入した細胞株では、Ku70の遺伝子発現が低下すると同時に放射線感受性も高まることが分かった。 4)In vitro抗癌剤感受性テスト 抗癌剤感受性についても、Ku70遺伝子の発現抑制による効果を検討した。DNA二本鎖切断を生じることが明かなブレオマイシン、methyl methanesulfonateに対しては、アンチセンスDNAを導入した細胞株の薬剤感受性が著しく亢進したが、DNA二本鎖切断を生じないことが明かなパクリタキセルでは変化は認められなかった。DNA二本鎖切断を生じるかどうか議論の余地のある、シスプラチン、マイトマイシンCに対しても変化は認められなかった。
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