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2002 年度 実績報告書

COPDの発症に関わる遺伝的素因および細胞周期制御機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 14570541
研究機関千葉大学

研究代表者

巽 浩一郎  千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (10207061)

研究分担者 栗山 喬之  千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (20009723)
白澤 浩  千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (00216194)
キーワードCOPD / 遺伝的素因 / VEGF / VEGF受容体 / アポトーシス / 肺気腫 / SNP
研究概要

COPDは、閉塞性細気管支炎と気腫性病変の組み合わせで閉塞性換気障害が生じる。喫煙はCOPDの最大の危険因子であるが、すべての喫煙者がCOPDを発症するわけではなく、発症するのはその約10〜20%であり、そこには何らかの遺伝的素因の関与が考えられる。COPDは多因子性の疾患であり、その成立には複数の遺伝子が関与しうる。COPDの発症機序の一つとして、肺胞壁のアポトーシスはCOPDの病因に関与しうる。気腫性病変を呈するCOPD症例では、血管内皮細胞、肺胞上皮細胞におけるアポトーシスが生じており、肺におけるvascular endothelial growth factor (VEGF)の発現低下が認められている。VEGF受容体のシグナルは、肺胞構造の維持に必要であり、VEGFシグナルの欠如は血管内皮細胞のアポトーシスを招く。また、喫煙はVEGFおよびその受容体であるKDR/Flk-1の低下を起こしうる。このような概念の上で、喫煙による血管内皮細胞ないしは肺胞上皮細胞におけるVEGF産生の低下ないしはKDR/Flk-1の発現低下は、COPDないしは気腫性病変の発症に関与しうるのではないかと考えた。VEGF遺伝子の3'側の非翻訳領域にはいくつかの遺伝子変異(SNP)があるが、936の位置のcytosine(C)からthymine(T)への変異(VEGF 936^*2)は、血漿のVEGFレベルの低下と関係があることが知られている。この遺伝子多型は、低酸素で誘導される蛋白のVEGF mRNAへの結合に影響することにより、VEGFの産生が変化する可能性がある。現在113人の喫煙COPD症例、101人の対照群を集積して比較検討を施行しており、VEGF 936^*1/2の割合は、COPD群で0.792/0.208、Control群で0.822/0.178であった。

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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