目的 咳喘息(CVA)と喉頭アレルギー(LA)において、上気道における肥満細胞が病態にどのようにかかわっているかを検討するために、喉頭披裂部の肥満細胞の浸潤について検討を行った。 方法 喘息発作の既往のない慢性咳嗽患者10名にメサコリン吸入テスト、血中IgE、好酸球測定をおこなった。PC_<20>-Mch1000ガンマ以下の場合、気道過敏性を有するとしCVAと診断した。LAは「喉頭アレルギー研究会の提唱する診断基準」に基づき診断した。その結果CVA4名(女性4名、平均年齢40.8±6.6歳)、LA6名(男性3名、女性3名平均年齢66.8±10.5歳)であった。喉頭披裂部生検は当院耳鼻科にて施行し、生検組織標本はホルマリンにて固定後トリプターゼ染色を行った。各組織標本は顕微鏡下にデジタル画像として取り込み、粘膜単位面積あたりの肥満細胞の数を計測した。 結果 喉頭披裂部の肥満細胞数は、LAにおいて大きなばらつきがあり、CVAに比して多い傾向にあった。血中IgEと粘膜肥満細胞数との間に相関はなかった。血中好酸球と粘膜肥満細胞数との間に相関はなかった。 考察 喉頭アレルギー患者の咳嗽には粘膜に浸潤している肥満細胞が重要な役割を果たしている可能性が示唆された。
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