研究課題/領域番号 |
14570575
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
馬場 正之 弘前大学, 医学部, 助教授 (90106849)
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研究分担者 |
田野崎 真人 弘前大学, 医学部附属病院, 助手 (90332379)
尾崎 勇 青森県立保健大学, 健康科学部, 助教授 (90241463)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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キーワード | 体性感覚誘発電位 / 末梢神経誘発電位 / 無症侯性神経障害 / 体性感覚誘発磁界 / 聴覚誘発磁界 / 短期的脳司塑性 |
研究概要 |
末梢からの入力変化が中枢神経伝導や脳皮質可塑性におよぼす影響について、以下の研究を遂行した。 1.無症候性末梢神経障害の電気生理学的異常。 神経障害の症状は無いがアキレス腱反射完全消失のある糖尿病患者を無症候性糖尿病性神経障害罹患者と規定し、各種伝導機能を調べた。その結果、脛骨神経F波潜時延長が67%の患者で、腓骨神経感覚神経電位低下者が40%に確認された。感覚電位消失者はいなかった。したがって、無症候の時期においても大径有髄線維の脱落および有髄線維密度低下が明確に存在することが明らかになった。 一方、体性感覚誘発電位を用いた検討では、糖尿病患者における中枢性感覚軸索伝導異常が明らかであった。このことは中枢性軸索にも変性過程が及んでいることを示す重要な所見である。 2.体性感覚誘発磁場に関する研究 若年健常者での上肢電気刺激によって誘発される脳磁界変化を記録し、低周波成分と高周波成分の等価電流双極子ベクトルの位置、方向、強度を検討した。その結果、高周波成分ベクトルはN20mベクトルと交差して斜めの方向に散らばって振動し、発生源として介在ニューロンが推定された。高周波成分が感覚認識に及ぼす生理学的機序の解明が待たれる。 3.聴覚誘発磁界による聴覚皮質音再現野の研究 一次聴覚野の短期的可塑性を探るために音のピッチ識別課題と方向識別課題を行わせて、聴覚誘発磁界N100m成分を解析した。その結果、400Hzおよび4000Hzによって得られるN100mダイポール距離は方向注意課題では分離が不明瞭であるのに対し、ピッチ識別課題では有意に拡大し、明瞭に分離した。このダイポール距離拡大現象は一次聴覚野の短期的可塑性の存在を示す重要な知見である。
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