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2002 年度 実績報告書

舞踏病・ジストニアの運動回路異常と定位脳手術効果の検討-パーキンソン病との比較-

研究課題

研究課題/領域番号 14570586
研究機関信州大学

研究代表者

橋本 隆男  信州大学, 医学部, 助教授 (20201709)

研究分担者 多田 剛  信州大学, 医学部附属病院, 講師 (00236530)
キーワード舞踏病 / ジストニア / パーキンソン病 / 定位脳手術 / 淡蒼球破壊術
研究概要

平成14年度は,1例の舞踏病患者に両側淡蒼球内節破壊術を施行した.症例は28歳,女性.精神発達遅滞があり,薬物治療でコントロール困難な舞踏病運動のために入院した.入院時,発語不能で全介助.顔面,頚部,四肢に激しい舞踏病運動が持続し,大量のhaloperidol, diazepam他を投与するもほとんど効果はなく,人工呼吸器を装着してpropofol持続静注による睡眠療法で全身管理を行った.家族の承諾を得て行った遺伝子診断で歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)と診断された.舞踏病運動の軽減を目的として左淡蒼球内節破壊術を施行した.手術は,全身麻酔下で微小電極ガイドで行った.不随意運動のため術中全身麻酔を解除することができず,覚醒状態での淡蒼球内節の活動を記録することはできなかった.内節から外節へ広がる凝固巣を作成して手術を終了した.術後,右半身の舞踏病運動は著明に減少した.2ヶ月後に右淡蒼球内節破壊術を同様の手技にて施行した.術後,左半身の舞踏病運動は消失し,呼吸器から離脱できた.本例は,DRPLAの舞踏病運動に対して淡蒼球内節破壊術が有効であることを初めて証明した.ビデオ記録と表面筋電図により不随意運動の消失を明らかにした.これまで,ヘミバリスムと線条体の血管障害による舞踏病で淡蒼球内節破壊術が有効であることが報告されている.本例では,全身麻酔を行ったので淡蒼球内節の活動異常を調べることはできなかったが,手術効果から,DRPLAの舞踏病運動が淡蒼球内節の活動異常が背景機序であることが示唆された.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 橋本隆男: "血管性舞踏病とヘミバリスムの病態と神経機序"運動障害. 12巻. 49-55 (2002)

  • [文献書誌] Hayashi R, Hashimoto T, et al.: "Effects of unilateral pallidotomy on voluntary movement, and simple and choice reaction times in Parkinson's disease"Movement Disorders. (in press).

  • [文献書誌] 橋本隆男: "随意運動と不随意運動の違"Clinical Neuroscience. 20巻. 1240-1243 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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