研究課題/領域番号 |
14570603
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経内科学
|
研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
野元 正弘 愛媛大学, 医学部, 教授 (50208401)
|
研究分担者 |
三木 哲郎 愛媛大学, 医学部, 教授 (00174003)
大橋 京一 浜松医科大学, 医学部・臨床薬理学, 教授 (20137714)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2003
|
キーワード | パーキンソン病 / 個体差 / トランスポーター / L-dopa / ドパミン受容体アゴニスト / アマンタジン / CYP / 発症規定因子 |
研究概要 |
パーキンソン病は複数の要因によって発症する疾患である。この研究は治療薬への反応からパーキンソン病の個体差を分類し、その差を遺伝子レベルで検討することにより、パーキンソン病の個人差と発症にかかわる複数の遺伝子を解明することを目的とする。L-dopaの日内変動の研究ではL-dopaのbioavailabilityには約2倍半の個体差が見られた。Population PK studyを用いた研究ではベンセラジド製剤でより血中濃度の高いことが明らかにされた。また、血中での消失速度はベンセラジド製剤で速い可能性が示唆された。L-dopa製剤のbioavailabilityの検討ではベンセラジド製剤ではカルビドパ製剤に比較して、約2倍のbioavailabilityがみられた。以上からL-dopa治療における薬物動態の個体差の検討時には、個体差とともに、製剤による差を考慮する必要のあることが明らかにされた。ドパミン受容体アゴニストの血中動態の研究からドパミン受容体アゴニストのbioavailabilityには2倍から3倍の個人差のあることが明らかとなった。また薬物相互作用の検討から代謝酵素であるCYP3A4,CYP2D6等の阻害薬によりbioavailabilityの変化が起こりうることが明らかになった。アマンタジンの血中濃度の研究からアマンタジンの血中濃度には大きな個体差がみられ、副作用は血中濃度の上昇によって起こることが推測された。パーキンソン病治療薬の動態における遺伝子多型の検討はパーキンソン病の治療効果を規定する因子として、L-dopaを取り込むトランスポーター、アゴニストの代謝に関わる酵素活性の個体差、およびアマンダジンの排泄に関わるトランスポーターの個体差を検討している。 まとめ パーキンソン病治療薬のbioavailabilityを個人差に注目して検討した。その結果、これまで明らかにされていた食事とともに、製剤による差、代謝における他の薬物との相互作用による差、薬物の排泄吸収による差の起こることが明らかにできた。さらに、DNAを抽出し、bioavailabilityの個人差と代謝酵素、トランスポーターの遺伝子多型と治療薬、効果との関係の検討している。
|