研究課題/領域番号 |
14570605
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
池添 浩二 九州大学, 大学病院, 助手 (80343317)
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研究分担者 |
古谷 博和 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (60253415)
武田 伸一 国立精神神経センター, 神経研究所, 部長(研究職) (90171644)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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キーワード | アポトーシス / ラミニン2 / メロシン / アノイキス / Bad / caspase-12 / 小胞体ストレス |
研究概要 |
Laminin-2欠損症では生後間もない時期に筋線維は壊死に陥り、その後の再生過程においてアポトーシスが起こるために再生が完遂しないことがわかっている。上皮細胞等ではインテグリンと細胞外基質との接着がなくなることで、生存シグナルの細胞内への伝達が絶たれ細胞がアポトーシスをきたすことが知られているが、発生由来の異なる骨格筋における生存シグナルの解析はあまり行われていない。そこで本研究ではlaminin-2欠損症のモデルであるdy3K/dy3Kマウスの再生筋を検索することで、その生存シグナル伝達に関与する分子を推察した。すなわち上記のシグナル経路はいずれもBadをリン酸化することでミトコンドリアを介するアポトーシスを抑制しているが、dy3K/dy3K再生筋では、主にPKA系を介してリン酸化されるSer155のリン酸化が障害され、MAPK系でリン酸化されるSer112のリン酸化も軽度障害されていた。一方PI3K/Akt系で主にリン酸化されるSer136のリン酸化は保たれており、またAktもSer473でのリン酸化が認められた。これらの結果よりlaminin-2欠損症骨格筋では細胞外基質(基底膜)とインテグリンの接着を介しての生存シグナルの伝達には上皮系細胞等で中心となっているPI3K/Akt系は保たれており、他の経路(おそらくPKAを介する経路)が障害されることがアポトーシスの原因となっていることが推察された。 また壊死の直前にも筋細胞膜の不安定化による高濃度のカルシウムを含む細胞外液の流入がおこり、筋小胞体に負荷をかけることによると思われる小胞体ストレスが生じアポトーシスによる筋核の変性が生じている可能性を、壊死期直前のcaspase-12の活性化を検出することで見出した。
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