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2003 年度 実績報告書

亜急性硬化性全脳炎発症に関連する宿主遺伝要因の解明

研究課題

研究課題/領域番号 14570607
研究機関九州大学

研究代表者

吉良 龍太郎  九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (70304805)

研究分担者 鳥巣 浩幸  九州大学, 大学病院, 医員
楠原 浩一  九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (20243941)
原 寿郎  九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (40150445)
キーワード亜急性硬化性全脳炎 / 遺伝子多型 / 麻疹ウイルス / 宿主 / 免疫 / MxA / 疾患感受性遺伝子
研究概要

背景:亜急性硬化性全脳炎(SSPE)の正確な病因は未だ解明されていない。主任・分担研究者らはこれまでに、SSPEにおけるT helper(Th)1/Th2サイトカイン関連遺伝子の多型解析を行い、interleukin-4遺伝子-589Tアレルの頻度がコントロールに比べSSPEで有意に高いことから、宿主の遺伝的要因がSSPEの発症に関係することを初めて明らかにした。
目的:抗ウイルス活性を有する蛋白MxAはインターフェロン(IFN)α/βによって誘導され、麻疹ウイルス(MV)を含む1本鎖RNAウイルスの複製を抑制する。本研究ではMxA遺伝子が日本人でのSSPEの発症に寄与するか否かに関して検討を行った。
方法:MxA遺伝子プロモーター領域の1塩基多型(SNP)のスクリーニングを行い、2か所のSNPとSSPEとの相関解析を行った。さらにデュアルルシフェラーゼリポーターアッセイを用いて、その2か所のSNPにおけるプロモーター活性の機能的相異を検討した。
結果:4か所のSNPが確認され(-88G/T、-123C/A、-200T/C、-213G/T)、SSPE患者では対照と比較して-88Tアレル頻度、-88TT遺伝子型頻度とも高いことが示された(p=0.040と0.003)。-88Tを有する塩基配列でのMxAプロモーター活性のIFNによる上昇は-88Gを有する配列よりも有意に高いことがわかった。
結論:日本人においてMxAプロモーター上の-88G/T SNPはSSPEに対する宿主の遺伝的感受性に寄与する可能性がある。SSPE患者では高いMxA産生能を有する-88Tアレルのホモ接合体がより多く認められたという知見はMxA蛋白が神経細胞でのMV持続感染の成立を促すことを示唆している。
結語:MxA遺伝子多型がSSPEの病態に関わる新たな宿主遺伝的要因の一つであることを明らかにした。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Torisu H, et al.: "Functional MxA promoter polymorphism associated with subacute sclerosing panencephalitis"Neurology. 62・3. 457-460 (2004)

  • [文献書誌] Inoue T, et al.: "Contribution of the interleukin 4 gene to susceptibility to subacute sclerosing panencephalitis"Arch Neurol. 59・5. 822-827 (2002)

  • [文献書誌] 鳥巣浩幸ら: "亜急性硬化性全脳炎とアポトーシス"小児内科. 34. 101-104 (2002)

  • [文献書誌] Tokunaga Y, et al.: "Neurotrophin-4 and glial cell line-derived neurotrophic factor in cerebrospinal fluid from meningitis/encephalitis patients"Pediatr Neurol. 27・2. 102-105 (2002)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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