研究課題/領域番号 |
14570613
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
三輪 英人 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教授 (50231626)
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研究分担者 |
西 克典 (財)東京医学研究機構神経科学総合研究所, 副参事 (00138257)
近藤 智善 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (50103891)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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キーワード | proteasome / ubiquitin / substantia nigra / Parkinson's disease / dopamine |
研究概要 |
当該研究では、ラットの脳室内また脳実質内にプロテアゾーム阻害剤を直接投与することによって生じる影響を行動学的かつ形態学的に解析した。 ラット脳室内への水溶性プロテアゾーム阻害剤(lactacystin)の微量注入実験を行ない、行動学的には運動量増加と驚愕反射の亢進が得られた。一方、組織学的検討の結果、黒質線条体ドパミン経路の変性が示唆されたが、脳室に接する領域(線条体および視床など)に広範囲な非特異的損傷が認められた。このラット脳室内への水溶性プロテアゾーム阻害剤注入は、黒質線条体ドパミン経路をターゲットとして研究モデルとしては、適当ではないと判断し、直接的に線条体または黒質へのプロテアゾーム阻害剤注入実験を開始した。 プロテアゾーム阻害薬lactacystinをラット中脳黒質に注入すると黒質ドパミン神経細胞の顕著な変性脱落とαシヌクレイン陽性封入体形成がわずかながら認められた。さらに、線条体に注入した揚合にも、黒質ドパミン神経細胞変性が逆行性に惹起され、αシヌクレイン陽性封入体形成が確認された(Neuroscience letter誌に発表)。同時に、酸化的ストレスマーカーの有意な増加がドパミン神経細胞に認められ、さらにマイクログリアの反応性増殖もみられた。したがって、線条体へのプロテア阻害薬lactacystin注入後にドパミン神経細胞が変性し、αシヌクレイン陽性封入体が形成され、酸化的ストレスが惹起され、ミクログリア反応が生じる、という一連の病態が誘発されることから、このモデルがパーキンソン病におけるドパミン神経細胞変性のin vivoでのモデルとして意義あると考えられた。
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